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医療コラム

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2021.12.25 医療コラム

広報はぼろ2021年12月号掲載のコラム記事

いよいよ今年もあと1ヶ月。今年も昨年に引き続き新型コロナウイルスによって、なにかと制約の多い1年になってしまいました。中国での感染からおよそ2年が経過し、日本では夏からの第5波が収束し、10月からはおだやかな日がつづいており、この原稿を書いている時点でも、北海道は1日10名前後の感染者で推移しています。少しずつ平和な日常を取り戻しつつあります。ただ、世界をみてみると、日本よりもワクチン接種の開始が早かった国々が、感染者の急増で医療逼迫が再び見られており、これと同様のことは日本でも起こる可能性はあります。日本のデータをみると、感染者数は激減していますが、9月以降の感染者における高齢者の割合が増加しており、ワクチン接種から時間が経過した方の感染も見られるようになっています。

羽幌町では新型コロナワクチンは対象者のうち希望される方々についてはほぼ終了し、非常に多くの方に接種していただきました。国では3回目の接種を、2回目の接種から8ヶ月経過後に実施する方針を示しており、医療従事者はこの12月から1月にかけて3回目の接種を行う予定です。それに引き続き、順次2回目から8ヶ月経過された方への接種となると予想されます。

3回目のワクチン接種がなぜ必要かということですが、ワクチンの感染予防効果は、接種1ヶ月後の88%から、約半年で47%まで低下するとされています。入院予防効果や重症化予防効果は2回目接種から半年までは維持されているものの、高齢者では重症化予防効果は徐々に減少するとされています。先に追加接種が開始された諸外国では高い有効性が示され、イスラエルからの報告では、感染予防効果は11.3倍、重症化予防効果は19.5倍となったと報告しています。最も気になるのは副反応ですが、これまでの報告されている限りでは、「2回目接種と同程度かそれより軽い」とされています。

季節性インフルエンザと同様に、毎年のように接種が必要なものになるかは、これからの知見を待たなければなりませんが、前回の接種で大きな副反応がなかった方には、3回目の接種を受けていただくことをお勧めします。そして、感染対策も引き続き重要です。とくに冬本番で、室内の換気を怠りがちになります。密閉空間では感染が拡大しやすいですので、こまめな換気を忘れずにお願いします。