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医療コラム

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2022.03.01 医療コラム

広報はぼろ2022年3月号掲載のコラム記事

「汗をよくかくのですが大丈夫でしょうか・・・」よく相談をいただく症状です。汗は人間の体温調整のために備わっている機能です。体温が高くなると、脳をはじめとして体の組織に負担がかかるため、熱を下げるために必要な仕組みです。汗は脳によってコントロールされており、皮膚や体内の温度が上昇したときに、脳に信号が行き、汗を出すように交感神経を通じて命令します。逆に汗が出すぎないように、血液が濃くなったり、運動などで筋肉を使った場合には、汗を抑えるように命令します。つまり、汗には神経の機能が密接に関わっています。ストレスなど精神的に負担がかかった場合には、自律神経が乱れることで交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなります。緊張した場面など手に汗がにじんだりした経験はあるでしょう。交感神経は発汗を促す働きがあり、本来寝ている間など副交感神経が優位になる場面でも切り替わらずに、体温調節が働かず、暑くない時でも寝汗をかくことがあります。また、女性では月経前や更年期などホルモンバランスが乱れることで同様のことが起こることがあります。ほかにもエアコンのつけすぎ、ストーブの炊きすぎなど、温度が一定の環境に長時間いると、体温調整ができなくなることがあります。これらの場合は、ストレスを溜めないようにする、規則正しい生活にする、冷暖房器具を適切に使用するようにすることが対処法になります。寝ている間に汗をかくと不快が高まり睡眠不足になるため、衣類や寝具を吸水性の高いもの、速乾性のものなどに替えることもよいでしょう。

冒頭の相談、多くの場合は「心配ないですよ」という回答でよいのですが、時に病的な場合があります。甲状腺が元気になりすぎてしまう病気(甲状腺機能亢進症)や、悪性リンパ腫やがんなどの悪性疾患、炎症を起こす病気や、結核、肺炎なども原因となります。比較的慢性的な長い経過で進んでいく病気です。これらの場合、熱が出たり、体重が減る、食欲低下、咳が出ることあります。自律神経の影響による場合では、気分の落ち込みや動悸、めまいなどの症状があり、うつ病である場合もあります。

基本的には病的なものの頻度は少ないので、あまり心配しすぎることはなく、汗をかくだけでは心配はありませんが、プラスアルファでこれらの症状もある時に、一度医療機関で相談するとよいでしょう。