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医療コラム

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2022.12.01 医療コラム

広報はぼろ2022年12月号掲載のコラム記事

前回は「眠れない時にやってはいけない生活習慣」についてお話ししました。今月は「眠れるようになるやった方が良い生活習慣」をお話しします。

先月「就寝時刻を決めてはいけない」とお話ししましたが、逆に「起床時刻は決めた方が良い」です。人間の生理的な眠気は決まった時間に来ることをお話ししましたが、眠気は起床時刻によっても決まっており、起床16時間後に眠気が来るようです(子供の場合は14時間後程度)。週末の寝だめなど、朝の9時まで寝たりすると、睡眠のリズムが狂い始めていきます。まず朝6時など起床時間を定めます。ただし、朝目覚めが早すぎると悩んでいるケースの場合は、生活リズムを朝型に変えてしまう朝の光を避ける行動がベターです。カーテンを遮光にしたり、朝の散歩は夕方にするなど変えてみましょう。

次のポイントは入浴時間です。人間は交感神経と副交感神経という自律神経がバランスをとって身体を調節します。活動するときは交感神経、休むときは副交感神経が優位になります。ですから、夜に向けて副交感神経を高めるような生活をすると良いことになります。入浴するとリラックスできますよね。入浴すると血管が拡がり、血圧が下がります。そのリラックス効果に加え、体の温度が下がる時に眠気が起こるので、それを誘発する効果が得られることです。眠る時刻の1〜2時間前に入浴することが理想的で、前回早く寝ても22時とお伝えしたので、20時過ぎくらいにお風呂に入るとちょうど良いでしょう。1つ注意として42℃以上の熱湯には入らないでください。交感神経が高まってしまい逆効果になるケースがあります。

もし不眠で悩まれている方がいれば、積極的に「遅寝・早起き」にしてください。眠ることができる時間は高齢者では5時間程度です。6時に起きるとすると夜の1時でも問題がありません。

医療機関を受診して相談するとき、高血圧の方が血圧手帳をつけて受診するように、不眠の方は「睡眠日誌」をつけてみます。毎日自分が何時に起床し、食事し、入浴し、寝床につき、眠ったと思われる時間を記録します。途中で起きた時間も記載すると良いでしょう。不眠の原因として、頻尿が原因であることが多々です。泌尿器科でまず相談することも一考してください。ほかにも「夜間の高血圧」「睡眠時無呼吸症候群」「うつ病」などが原因となりえます。薬を処方される前に考えておくべきことについてお話ししてきました。次回、睡眠薬についてお話ししたいと思います。