広報はぼろ2023年4月号掲載のコラム記事
新年度になりました。進学したり、仕事や部署が変わったり、転勤されてきたり、4月から気持ち新たに生活を迎えられている方も多いかと思います。道立羽幌病院には、今年度新たな医師が3名着任し、7名体制となりました。昨年度は医師の大幅な減員もあったほか、従来の看護師不足に加え、新型コロナウイルス感染症への対応として、ワクチン集団接種、発熱外来、入院対応に医師・看護師を割く必要があることから、診療を制限せざるを得ないところもありました。必要性の高い通常の外来、入院、救急診療、在宅医療は、出張医師を数多く確保しながら維持しましたが、専門診療科の受診制限、胃カメラやエコーなどの検査予約制限などで御迷惑をおかけいたしました。4月以降従来の診療体制に戻してまいりますが、看護師不足は解消しておりませんので、お知り合いの方などで看護師がいらっしゃいましたら、ぜひ御紹介いただければと思います。
新型コロナウイルスは5月8日より5類感染症となる予定です。流行開始当初より地域住民の皆様には感染対策やワクチン接種などを積極的に取り組んでいただきました。また高齢者施設でもクラスターは発生しましたが、職員が献身的な努力を続けてくださいました。ようやく日常生活を取り戻せるように報じられ、世間では喜ばしいこととして受け止められています。しかしながら、ウイルスが消えたわけでもなく、その病原性は変異を繰り返すこともあり、必ずしも油断はなりません。私たちも日常生活を営む一市民として、通常の生活に近づける喜びを感じつつも、重症化した場合にこれまでのように保健所による転院調整は縮小になるほか、幸いこれまでクラスターとなりませんでしたが、クラスター発生の可能性も考慮しながら診療にあたることは変わりがありません。場合によっては2類相当の感染症として扱われている間よりも、病院の負担が増す懸念も指摘されています。当院が通常の診療に戻すにあたり、地域の皆様には日常生活を取り戻しつつ、マスク着用が必要な場面での着用(病院内はこれまで通り着用いただくようにお願いします)、抗原検査キットの確保、解熱薬などの確保に努めていただき、軽症の感冒症状は自宅療養できる体制を御準備いただくようにお願いいたします。また、発熱や上気道症状を有する方におかれましては、事前に電話連絡いただくことを当面継続いただくようにお願いいたします。