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医療コラム

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2025.01.10 医療コラム

広報はぼろ2025年1月号掲載のコラム記事

最近は患者さんとしてお越しになる方々の中で、デジタルデバイス(スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど)を使いこなしている方が増えている印象を受けます。とくにデジタルデバイスの中で注目されているのが、スマートウォッチを代表とするウェアラブルデバイス(身につけることができるデジタルデバイス)です。日常生活で身につけながら、継続的に身体の中の健康データを収集して、個人の健康状態をリアルタイムで把握することを可能にしています。個人の健康意識を高めることにつながるため、

以前から若い世代を中心に使われているのは、歩数や消費カロリー、運動時間などのデータを自動的に記録するものです。日々の数値が可視化されることで、より意識付けされます。スマートフォンでも歩数を記録することができ、歩数で様々なポイントを得られるアプリもあるので活用されている方もいらっしゃるかもしれません。

脈拍を計測することで、脈拍の速い・遅いだけではなく、最近では不規則な脈拍のうち病的な不整脈を検出することができるものもあるようです。

血液の中の酸素濃度を測定することができるものもあります。新型コロナウイルス感染症では、酸素濃度が重症度の評価に用いられることもあり、療養された方には保健所から送られてきて測定した経験がある方もいらっしゃるでしょう。肺の病気をお持ちの方には有用でしょう。

この血中酸素濃度の測定は睡眠の質を見ることにも活用できるので、それを目的としてつけている方もいらっしゃるようです。加速度センサーで着用者の動きを感知したり、心拍センサーも活用することで、睡眠の深さ(レム睡眠やノンレム睡眠)、目が覚めた回数などがわかり、種類によっては点数をつけるものもあるようです。睡眠は本人の意識と実態にギャップがあるとされ、客観的に評価されることは適切な睡眠管理につながるでしょう。

スマートウォッチは医療機器ではないため、いずれの測定についても精度の保証はされていませんので、あくまでも参考情報として捉えていただくことになります。人によっては、かえって不安になるきっかけともなりうる点は注意が必要です。ただ、病気の早期発見や予防、より個別化された個人に応じた医療を提供することにつながる可能性があるツールです。主治医と共有し専門的な助言を得ることで、より効果的になるかもしれません。