広報はぼろ2025年2月号掲載のコラム記事
冬は外に出る機会が少なくなることもあり運動不足になりがちです。運動不足が続くと体が硬くなった気がする方も多いかもしれません。実は、体の柔らかさと認知症には関係があることをご存知でしょうか?
最近の研究では、体の柔軟性を高めることが認知機能の維持に役立つ可能性が示されています。特に、ストレッチやヨガのような柔軟性を向上させる運動が、脳の健康に良い影響を与えるとされています。つまり、柔軟な体が脳を助けると言えます。体を柔らかく保つと、全身の血流がスムーズになります。これは脳への酸素や栄養の供給を促進し、認知機能の低下を防ぐ一因となると考えられています。また、運動をすることで自律神経のバランスが整い、ストレスや不安が軽減されることも認知症予防に繋がると言われています。他のある研究では、高齢者が週に数回ヨガやストレッチを行うことで注意力や記憶力が向上したことが報告されています。さらに、これらの運動は前頭葉の働きを刺激し、脳の健康をサポートすることが期待されています。
朝起きた後、体をほぐす軽いストレッチを5分でも行うことで血流を促進できます。睡眠中は身体をほとんど動かさないので筋肉や関節が硬くなっています。体が冷えると筋肉の柔軟性が損なわれています。布団の上で構いませんので、足首をしっかり上下に動かせるようにしたり、足を開いて伸ばして前と左右それぞれに体を伸ばしてみましょう。朝の軽いストレッチは高齢者には転倒防止にもつながります。また股関節の可動域を広げることは、足のむくみ解消にもつながります。
それ以外におすすめの具体的なストレッチ方法ですが、①太ももの裏や背中を伸ばす(手を床に向けるように体を前屈みにする)、②脇腹を伸ばす(伸ばす脇腹の方の手を頭に当てて、反対側に体を傾ける)、③胸を開く(両手を後ろで組んで肩甲骨を寄せるように腕を伸ばす)などは
最近はYouTubeなどの動画配信サイトには、ヨガやピラティスの動画がありますので、自宅でそれを見ながらやってみても良いかもしれません。
ストレッチの消費カロリーは30分で60キロカロリー程度とされており、ウォーキングの半分程度ですが、なかなか出歩きにくい時期でも可能で、特別な道具や広いスペースも必要ありませんので、気軽に始めやすい運動かと思います。ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。