広報はぼろ2026年3月号掲載のコラム記事(最終回)
2013年4月から道立羽幌病院で勤務いたしましたが、2026年3月末で退職することとなりました。これに伴い、このコラム欄は今回が最終回となります。2013年10月に始まり、今回でキリよく150回目になります。
このコラム欄は、当時の福祉課長さんと飲み会の席でご一緒したことを機に、このような機会をいただくことになりました。150回になりますので、同じ病気の話も度々登場しましたが、できる限り切り口が違うようにしてきました。伝えたいことが多く、それを約1,000字強程度におさめることは、なかなか骨の折れる作業でした。ただ、定期外来で普段お会いしている方には「毎回読んでタメになるよ」「今度は糖尿病の話を書いて」など伝えていただいたり、予約外の外来でたまたまお会いした方から「コラムを書いている先生ですね!」と声をかけていただくことが、外来で何かしらの話をするきっかけの1つになりましたし、執筆の励みになりました。
赴任してから13年間、さまざまな出来事を思い出します。2018年の胆振東部地震のブラックアウトの際は、皆さんが互いに気遣い合う様子を見聞きし、いざという時に「互助」が機能しており、都会とは違うことに感服いたしました。2021年の新型コロナワクチン接種では、初期にはほぼ全ての方が接種され、町民の皆さんの意識の高さが垣間見えました。介護福祉関係者の皆様とは、風通しの良い連携体制が年々できあがり、おかげさまで学会に呼んでいただき紹介できるほどにまでこの地域連携が成長でき、今後も医師が変わったとしても持続可能なものであると確信しております。
診療では「自分の親にしない治療はしない」ということを念頭に置いていました。一例として眠剤や安定剤について、当地では多くの方に処方されている状況にあり、私が着任して早い時期に保健所の保健師から「異常です」と指摘をいただいたことは大変重く受け止めました。これは患者さんご自身が悪いのではなく、私も2008年に一度当院で勤務しており違和感なく処方していましたが、私も含め過去の医師の責任でもあったと思います。患者さんは医師を信用し、処方されたものを服用します。私たち医師が転倒や認知症などのリスクを知りながら、その危険を負わせてしまっていた反省のもとに、内服薬ではなく生活習慣指導を中心にしました。患者さんの中には処方されなかったこと、変更すべきであると指摘されたことを不快に思われた方もいらっしゃるかもしれません(一方で眠剤を止めてスッキリしたと報告してくださった方も多くいます)。これに限らずご自身の意に沿わないこともあったかもしれませんが、このような思いがあったことも御理解いただければと思います。
13年間、誠にありがとうございました。今後の羽幌町民の皆様の健康と御多幸をお祈り申し上げます。

