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医療コラム

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2021.04.17 医療コラム

広報はぼろ2021年5月号掲載のコラム記事

広報はぼろ 5月号

先月に引き続き新型コロナワクチンについてお伝えします。羽幌病院の医療従事者の接種は2回分の接種が7割の職員に終了しました。ワクチンの数が限られているので、羽幌病院の残りの方や近隣の医療従事者は4月下旬から接種が開始されています。
当院のこれまでの接種での副反応の状況ですが、初回接種では局所の痛みや接種した側の肩の痛みが当日から翌日にかけて多く見られました。そのほかに倦怠感や頭痛、発熱もいました。私自身は疲労したように21時過ぎには眠気に襲われ朝まで眠りました。2回目の接種では、私は強い倦怠感と微熱がありましたが、職員のほとんどで何らかの症状があり、38度を超える発熱や倦怠感などさまざまです。初回よりも仕事をお休みになる程度の症状がでました。ただ、いずれも重篤な副反応ではありません。みなさんが各自で備えるとすると、市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンで「タイレノール」という名前で販売されています)を事前に備え、症状が出たら服用できるようにすることでしょうか。
このように、副反応はありますが、接種を行うリスクよりも、行うことで得られるメリットの方が上回ると考えられます。現在接種しているワクチンの有効性は90%以上とされています。この有効性とは、「発症する人を90%減らす」という意味ですので、「ある集団で100人感染するところ、90人減って10人になる」ということです。ちなみに、インフルエンザが30~50%程度ですから、比較すると高い有効性があるといえます。また、直近の報告では、感染そのものを防ぐ効果があること、つまり、このウイルスでは無症状での感染もあり、そこから感染が拡がることがありますが、その可能性が減らせることになります。また、重症化予防に関する効果も認められ、現在感染の主流になりつつある変異株に対して、ワクチンが有効かどうかという点です。現在国内で流行する主な変異株であるイギリス型は効果があると考えられています。
持病のある方では、基本的に接種してはならない疾患はありません。接種会場では多くの方に接種することを優先しており、細かな問診を含めて相談はできませんので、接種に対して不安のある方は、厚生労働省や北海道のコールセンターもありますので御利用ください。あるいは、事前に医療機関を受診するなどしておきましょう。