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医療コラム

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2021.03.23 医療コラム

広報はぼろ2021年4月号掲載のコラム記事

広報はぼろ 4月号

3月から新型コロナウイルスの医療従事者への接種が始まり、羽幌病院では3月8日から職員への接種を開始しております。4月と5月にかけて、残りの当院職員や近隣の医療従事者の接種を行うことになっています。高齢者への接種もこの広報誌と前後して羽幌町より御案内があります。

報道を見ると、ワクチンの有効性や安全性を示すものがある一方、ことさらに不安を煽るものもあります。結果として接種者が減ってしまうと、集団免疫効果は薄れてしまうことも考えられます。最近では「ゼロリスク」を求めすぎるのでしょうが、もともと100%安全というものはありません。普段公共交通機関を利用するときに、事故が起こることを想定して乗る方は少ないかと思います。例えば、高速バスの事故率は数万件に1件程度のようです。今回のワクチンでは、重篤なアレルギーであるアナフィラキシーは、20万件に1件で、それよりも低い確率であり、これまでの事例はいずれも生命に関わっていません。

ただ、接種を受ける方にとって、「起こるか起こらないか」は「0か1」で、不安になる気持ちもよくわかります。諸外国では接種が進んでおり、副反応として接種部位の痛みや腫れ、発熱、筋肉痛、倦怠感が多く、初回では2〜3割、2回目では半数程度に見られるようです。つまり、2回目の方が副反応は強くなる傾向です。ただ、この副反応はどのワクチンでも起こりえます。症状が強ければ、解熱鎮痛薬を使用してもかまいません。ただ、予防的に服用することは避けた方がよいでしょう(他のワクチンで効果が薄れることを示唆する報告もあります)。

アレルギー歴のある方の接種についてですが、ポリエチレングリコールという今回のワクチンに含まれる添加剤のアレルギーの方は接種できませんが、それ以外は接種可能です。過去に他のワクチンでアナフィラキシーを起こした方は、事前に相談をしていただき、そのワクチンに同じ添加剤を含まないか以前接種した医療機関等に確認されることをお勧めします。食物や薬などのアレルギーがある方、喘息や鼻炎などのアレルギー疾患のある方は、通常の方と同様に接種できます。

今回の集団接種では、これまでのインフルエンザと異なり、接種後30分間そのまま待機していただき経過を見ます。また、救急の薬剤なども用意し、万一に備えた体制にしておりますので、安心して接種を受けていただきたいと思います。